ポップマート・ツアー

こうした制作上の問題は、アルバムに伴うポップマート・ツアーにも影響を及ぼした。1997年4月にラスベガスから始まった同ツアーでは、巨大なLEDスクリーン、黄金色のアーチ、巨大なレモン型のミラーボールなど、それまでのU2のステージをさらに上回る大規模なセットが導入された。これらは大量消費社会や企業文化を戯画化したもので、ツアーそのものがU2の1990年代におけるアイロニーと視覚的な過剰さを象徴するものとなった。一方、アルバム制作とツアー準備が並行して進められたことで、バンドは十分なリハーサル期間を確保できなかった。ツアー序盤では新曲の複雑なアレンジをライブで再現することに苦戦し、巨大なステージ装置を用いた演出にもトラブルが発生した。こうした状況から、ポップマート・ツアーはその巨大なスケールと斬新な演出が評価される一方、「過剰なスペクタクル」として批判を受けることにもなった 。